カテゴリページとまとめ記事、どちらも記事リンクを一覧表示する意味では似たような機能を持っていますが、ユーザーから見た意味は全く違うものなのです。
カテゴリーページはナビゲーション、まとめ記事はキュレーション
Webサイトにおけるカテゴリーの役割は、能動的に情報を探しているユーザーがトップページから目的のページにスムースにたどり着けるための「ナビゲーション」です。
目的となる個別ページが主役であり、ナビゲーションであるカテゴリーページは脇役の関係性になります。
それに対しまとめ記事の役割は、大筋の情報を知りたいユーザー、あるいはまだ具体的な目的のないユーザーへ提案するための「キュレーション」です。
キュレーションとは、「テーマに沿って収集した情報を編集し、新たに価値を与えること」を意味します。
つまりまとめ記事そのものが主役であり、それ単体で価値の有るコンテンツでなければいけません。そこから張られる個別ページへのリンクは、あくまでまとめ記事を補完する脇役になります。
カテゴリー分けは客観的に
カテゴリーには「分類」という意味があります。
能動的に情報を探しているユーザーは「リンク先にあるであろう情報」を想像しながらリンクをたどります。この分類方法がいい加減であるとユーザーは必要な情報にたどり着くことができません。
どんなに広いショッピングモールであっても、にんじん1本を買ってこいと言われれば、どこにあるか探すことができますよね。
これは、食品売場>青果コーナー>根菜類>にんじん というふうに誰でも思いつく分類方法で「あるべきものがあるべき場所にある」からこそ実現できることなのです。
Webサイトのカテゴリー分けも同様です。
カテゴリーを設定するときは
- 誰が見ても迷わない客観的な分類であること
- すべてのページが必ずどこかのカテゴリーに属すること
- 一つのページが複数のカテゴリーに重複登録しないこと
を基準に設定すると良いでしょう。
特に完成形があり、ユーザーが「使う」タイプの完結型コンテンツではカテゴリー分けが重要です。
例えば施設や店舗のデータベースならば「地域」、人名辞典なら「頭文字」など排他的に分類できる基準を考えましょう。
そもそもブログではカテゴリーが機能しにくい
ここでいう「ブログ」は記事の追加更新を前提とし、記事が時系列に整理される日記的な狭義のブログのことです。
日々記事が追加されページ数が膨らみ続ける「ブログ」という形態では、情報を体系的に整理して探しやすくすること自体が難しい作業と言えます。
たとえカテゴリーを明確に分けても、1カテゴリーあたりのページ数が増えてページネーション(ページ送り)が表示されれば、途中で探すことをあきらめるユーザーも多くなるでしょう。
目的のページを探すためのカテゴリー分けは、そもそもブログというスタイルには向いていないのです。
ブログには提案型のまとめ記事を
純粋なブログ型サイトの場合、カテゴリーはあまり重視せず、まとめ記事を中心にサイト設計を考える方が良いかもしれません。
WordPressの場合まとめ記事は、カテゴリーページとは別に投稿ページや固定ページを使ってを作ります。
カテゴリーページと違って、それ自体がコンテンツであるまとめ記事では
- すべての個別ページを網羅する必要はない
- 一つの個別ページが複数のまとめ記事に含まれても良い
- まとめ記事同士の相関関係は考えなくても良い
という特長があります。
ブログは記事を追加していく中でその性格も変わっていくものです。記事のグルーピングもできるだけフレキシブルな方法をとる方が合理的です。(このようにグルーピングの核になるまとめ記事は「ピラーページ」と呼ばれます)
参考:ブログ記事に最適!SEOに効果的なピラーページの書き方
また、まとめ記事の目的の一つに、具体的な目的が決まっていないユーザーを捉えてサイト内の他のページの存在も知ってもらうということがあります。
例えば食品スーパーで「寒くなってきたので今夜はシチューにしませんか?」というPOPとともに、ルーやにんじん、ジャガイモ、ブロッコリーが陳列してあれば、まだ献立を決めていなかったお客さんは、そのいくつかを買い物かごに入れるかもしれません。
情報に受動的なユーザーにとって、まとめ記事の提案が魅力的であればあるほど、関連リンクへの遷移率は高くなります。
ブログではサイト全体の機能性ではなく、コンテンツの魅力で回遊率を高めるほうがユーザビリティは高くなると言えるでしょう。
カテゴリーページとまとめ記事の違いまとめ
カテゴリーページの検索順位を上げたいからといってナビゲーションを妨げるほどテキストを追加してまとめ風にするのは好ましくありません。
また、読ませたいページへのリンクをまとめる目的だけで、コンテンツとして魅力のないまとめ記事を作ってもあまり意味がありません。
カテゴリーページ、まとめ記事、それぞれ本来の役割を考えて使い分けることで、よりユーザービリティの高いサイトが作れるのではないかと思います。